【厚木基地騒音】岩国移駐後1年経ったのでデータを比較してみた

はじめに

米海軍艦載機の、厚木基地から岩国基地への移駐が2018年3月末に完了して1年経ちました。

騒音の変化をみるため、神奈川県が公表している騒音計の情報から、2017年度以前と現時点での騒音の違いを見ていきます。

■騒音計の計測条件
神奈川県設置の騒音計は70dB以上5秒間継続した場合に計測されます。
資料では70dB~90dB以上の騒音に関してデータがありますが、いずれも生活においてうるさいと感じられる水準と考えられます。

70dB⇒セミ鳴き声(2m)・やかんの沸騰音(1m)
80dB⇒地下鉄の車内
90dB⇒カラオケ(店内中央)

■騒音計の場所(神奈川県設置の騒音計)

※騒音は、同じ市町村内であっても飛行経路からどの程度離れているかによって大きく変わります。あくまで設置場所における騒音の大きさ・回数であり、市町村別の騒音の大きさを表したものではありません。(当ブログ参考ページ:大和市の騒音について、参考にした3つの方法

艦載機移駐の効果が顕著に–70dB以上は3割減、80dB以上の騒音は軒並み7割超減

70dB以上(セミの鳴き声2m)はすべて減少も、減少率は地域差

70dB以上で最も減少率の高かったのは相模原市共和小学校で58.4%減、最も低かった地域は綾瀬市綾西小で8.9%減、平均では29.6%減少でした。もともと騒音検出の多い地域(=基地と航路から近い地域)ほど減少率が低く、検出の少ない地域(基地と航路から遠い地域)ほど減少率が高い傾向があります。

これはそのまま、騒音の大きな艦載機が移駐したため、比較的騒音小さい輸送機の影響も受ける、騒音検出の多い地域では減少率が低くなったものと考えられます。

80dB以上(地下鉄車内)、90dB以上(カラオケ店内)は大きく減少

80dB以上では多くの地域で7割超減少しました。平均では66.4%の減少です。

90dB以上ではすべての地域が75%以上の減少となりました。

一方で、最も騒音検出回数の多い地域の上草柳や水道局大和営業所では、80dB以上の騒音が25%~30%程度の減少率にとどまりました。

結論

輸送機と比べて騒音の大きい艦載機が移駐したことによって騒音が減少し、以下のような印象を受けているのではないかと思います。

■元々騒音の影響が少ない地域⇒騒音はほとんどなくなった!(うちもこれ。土日しかいない僕は年間2~3回しか戦闘機の音を聞いていない。輸送機は飛ぶ姿が見えるけど無音。)

■元々騒音の影響が大きい地域⇒耳をつんざくような大きな騒音はなくなった!でも輸送機はまだうるさい。(ふれあいの森や泉の森あたりではこんな印象ですね。輸送機でも飛ぶとそれなりに存在感があります)